小野商店の農園では、やさいくず、雑草の草わらや籾殻を利用したEM(有用微生物)ぼかし肥料を土に鋤き込みます。
いわば土の善玉菌を補うことで、作物に有用な微生物の活動を活発にし、作物がもともと持つ生命力を活かしきる事に注力します。
微生物の中には団粒(土の適度に小さくまとまったかたまり)の中でのみ生息できる微生物がおり、植物の成長に良い影響を与える働きが期待されます。
また、雑草を完全に刈り切る“除草”もしません。
それは、雑草の根元は…
①夏場は大変涼しく、朝晩の冷え込む季節には雑草がマルチングの代わりになり、保温・保湿効果が期待できること
②ミミズがたくさん住んでおり、土がフカフカできれいな団粒構造をしていること
これらの良い条件が整っていることに気付きました。
そのため、雑草を刈り切ってしまうことをせず、うまく付き合って行くことを選択したのです。
また、化成肥料の施しすぎは、硝酸態窒素流出による地下水汚染などを引き起こすとして問題視されており、注意が必要なのですが、多くの農家の方々が作物を丁寧に育てようとするあまり、過剰施肥傾向にあるとも一説には言われております。
そのような“メタボ”な“過保護”状態で育った作物は濃い緑色をしており、苦味も強くなるそうです。
当農園では、できるだけ自然本来の土壌を活かししつつ、周囲の農家の方々に、害虫の発生などでご迷惑をお掛けしないよう、適度に管理する営農を心掛けております。
とはいえ、本末転倒になりかねない、農薬散布も致しません。
コンパニオンプランツ(共生植物)や害虫がより好むイヌホオズキなどの雑草(バンカープランツ)を植えたり、ニームやマリーゴールドなど、害虫やセンチュウなどの生物への忌避効果が期待できる植物を植えたりしております。
すべては、そんな大地から育った作物がお客様の口へ入るから―。
作って終わり、収穫して終わり、出荷して終わり、では何か違う。そう考えるからです。